中学受験は「劣等感」が最大の敵

私は娘との中学受験を突き進むにあたり、常に意識していることがあります。それは「できる限り娘を競争意識から遠ざける事、そのためには私自身が中学受験の枠組みの中で競争心(優越感や劣等感)を抱かないようにする事」です。

私はこれが最初で最後の子供の中学受験になります。したがって、今の中学受験が本番に近づくにつれてどのようになっていくかを知りません。話を聞く限りサピックスではどんどん子供たちの競争心を煽るような仕組みになっていくと聞いています。おそらく塾として合格実績という成果を最も効率的に出す仕組みが子供たちの競争心を最大限煽っていくことなのかもしれません。受験専門企業がそうした手法を導入しているからには「合格」という枠組みの中ではそれが最適なシステムなんだと思います。

一方で、我が子というミクロの視点において十歳そこらの子供に熾烈な競争を強いるのは長期的に見て最適な教育であるとは思っていません。日本は紛れもなく学歴社会です、ある程度その社会の要請に応えられるため・一人娘が将来社会に出た時に機会と選択肢に恵まれるために必要だと思っているから、逆算して中学受験をさせています。競争をすると必ずそこに優劣が発生します。そして優越感・劣等感という感情を人間にもたらします。優越感を持っていれば良いですが、ほとんどの場合において基本的には劣等感を生みやすいと思っています。小学生の時点で劣等感を感じ始めるというのはどう考えても子供の健全な発育でいい影響があるはずがありません。したがって、最終的に熾烈な競争環境に巻き込まれてしまうのであれば、ギリギリまで娘をそこから遠ざけておきたいと思うわけです。とはいうもののすでにサピックスのクラス分けを通してアルファだったりアルファベットだったりと優劣を感じやすいフレームワークを避けて通ることはできません。私は娘に「今の段階ではクラスを気にしちゃいけないし、人は人・自分は自分でそれぞれが全然別の道を歩いてると思いなさい」と言っています。それでも娘はクラスアップやダウンが気になります。その気持ちも分かります。だからこそ私があえて「パパは気にしていない」と娘に強調しておく必要があります。

ちょっとネットで検索すると世の中には中学受験の情報で溢れかえっています。「●歳までに公文のG完了」だとか「小●までにサピックス」だの「読解力をあげる方法」「算数ができるようになる方法」といった具合です。私たち親は子供のことを思うばかりにそうした手法を必死で勉強し、実践させます。それで結果が出れば良いですが、たいていの場合子供の成績は思うように連動しません。するとこのように思います。「私がいま実践している方法は正しいはずなのに、子供の成績が思うような結果にならないのはおかしい」と。私自身も色々な学習手法を日々情報収集したり思案したりしているのでその気持ちはよくわかります。でも、勉強しているのは他ならない我が子なのです。子供の成長というのは本当に再現性がありません。子供の成長プロセスは唯一無二です。したがって、他の子で成績が伸びた手法を取り入れても思うような結果が得られないのは当然なのです。そうした中で私たち親にできることは案外限られているのではないかと思っています。つまり、我が子のことをしっかりモニタリングし、最適な環境提供・関わり方をする。ここまでだと思います。仮に本人をしごき倒して中学受験でうまくいったとしましょう、その後だいたい失速します。私は高学歴からの失速をこれまで大量に目の当たりにしてきました。中学・高校・大学・社会人、どのステージでも必ず発生します。私は娘にはそうなってほしくありません。だからこそ「劣等感」は敵なのです。娘に持ってほしくない感情なので、そもそも私がその感情を持っていてはお話になりません。

「自分は自分、人は人」という考え方は極めて重要な人生のスタンスです。何かと比較される受験生活の中でこの考え方を持つことは案外難しいですがそれでも親子共にこの考えを徹底することで長期的にはいい結果が得られると思っています。

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