小4夏休み総括
夏休みももうすぐ終わりです。小4はまだまだ中学受験感はありませんので気楽です。娘的にも旅行に行ったり親戚や友人と遊んだりと満足のいく夏を過ごせたのではないでしょうか。サピックスの夏期講習や日頃の家庭学習も特に疲れや感情の起伏無く淡々とやっていました。私は私で空いた時間を使って、特に国語の学習方法についていろいろな専門家の書籍を読みながら秋以降の効果的な学習方法について見識を深めることができたのではないかと考えています。
この夏つくづく感じたのは「中学受験って、結局のところ国語と算数なんだな」という事です。もちろん理科と社会も全体の中で大きな割合を占めているのですが、「やればできるしやらなければできない」という意味では非常にシンプルです。例えば国語と算数はばっちりなのに理科と社会ができないのと、理科と社会はいつもばっちりなのに国語と算数ができないのはどちらが深刻でしょうか?どう考えても後者のはずです。なぜならば理科と社会は学習効果の即効性が見込めるのに対して、国語と算数は即効性が無いからです。つまり、成績を上げるためにそれなりに時間がかかるわけです。実際には理科と社会も突き詰めると国語と算数の問題に帰着しますので、少なくとも小4の時点においては国語と算数をしっかりさせておかないと全教科崩壊する危険性をはらんでいることになります。
したがって、ここでは私がこの夏得たものについて特に国語と算数を中心に書き留めておきたいと思います。
【国語は語彙力がとにかく命である】
当たり前の話ですが、この夏は語彙力の重要性について改めて痛感しました。私が現在考えている国語力とは「人の話を理解する力」と「理解したことを人に分かりやすく伝える力」です。これまでさまざまな国語教育の専門家の書籍を読んできましたが、突き詰めるとこの2つの力に集約されるという意味ではいずれの専門家も共通しています。この2つの力を養う事こそ国語力の養成に他ならないわけです。どちらの能力を養うにしても、語彙力が必ず必要になります。言葉を知らなければ人の話を理解できないわけであり、言葉を知らなければ人に分かりやすく伝えることもできないわけです。したがって、子供の語彙力を増やすことが国語力養成の一丁目一番地になると考えています。算数でいえば計算のようなものです。そもそもこの力が弱いと話にならないわけです。大量の読書を通してもこの力は養われますが、やはり手っ取り早いのは言葉ナビなどの語彙ドリルを使った語彙力アップのブースト作業だと考えています。持っている語彙量が増えれば増えるほど国語力は上がると確信していますので、夏以降もとにかく語彙力の増強を一番重視して国語の学習に取り組んでいきたいと思っています。
よく考えてみると「人の話を理解する力」や「理解したことを分かりやすく伝える力」は社会に出てからも業務の根本を形成します。社会に出て分かるのは、いわゆる仕事がデキる人というのはこの2つの能力が高い人に他なりません。つまり、この能力を高めてあげるという事は子供が将来社会に出た時に最も必要となる能力を高めてあげることになるわけです。まさに中学受験を超えた一生モノのスキルです。
【読解力を高める一番の近道は読解演習量ではなく記述(アウトプット)である】
語彙力があるという前提の下で、その次に「人の話を理解する力」と「理解したことを人に分かりやすく伝える力」を養うには具体的に何をすればよいのでしょうか?現在持っている私の結論は「書くこと」です。書くためには当然語彙を知らないといけないのですが、日本語の文法も知らないといけません、文章を形成するための論理的な思考も必要となります。つまり書くことは国語の総合力が試されるわけです。たくさんの文章を読むことは言い換えるならばインプットという事になりますが、インプットは子供の場合頭を使っているようで使っていないケースの方が多いのではないかと思っています。読書をたくさんすることで読解力は高まるのでしょうが、実はあまり効率の良い学習方法ではないのではないかという認識を持っています。夏休みが始まったあたりでそこに気づいたので、我が家ではとにかく「書くこと」を意識して日々の学習にとりくんでいます。サピックスの国語は完全記述形式ですので、当然それもこなしますがそれ以外にも文章を書くトレーニングをとにかく積ませています。国語は算数と違って読解問題を大量にこなしたところでそれはあまり効果的な学習方法ではないと考えています。
【算数はサピックスによりかかりすぎない】
このブログでも何度か触れましたが、サピックスの算数は問題設定に雑さが目立ちます。テキストには問題の難易度に応じて「★」「★★」「★★★」という印が付いています。一件初心者向けから上級者向けまでまんべんなく設定されているように感じますが、私が見る限り「ホップ」「ステップ」「大大大ジャンプ」くらいに感じます(笑)サピックスのテキストだけでその単元をマスターできるとは思えません。しかもアルファクラスだと、初見であることが前提であるにもかかわらず冒頭にさらっと解法説明をした後でほとんど問題演習になります。娘は先取をしていますので、その単元をすでに知っている状態で授業に臨んでいます。とはいうものの、単元の中でできる問題パターンとできない問題パターンが当然あります。したがって、家庭学習ではその単元の中で弱い部分を補ってあげないといけません。この時、サピックスのテキストだけだとうまく溝が埋まらないのです。我が家では四谷大塚の「演習問題集」などを使って似たようなパターンをいろいろ演習させることでその埋め合わせをしたりしています。また、サピックス算数の弊害を最近見つけました。それは「プロセスを結構ないがしろにする」という点です。娘の解き方を見ていると、解答欄にいきなりひっ算を書き始めたりする傾向があります。サピックスとして式や図を書かないことは決して推奨していないとは思いますが、娘を見ているとどうも「答えがあっていれば何でもいい」というきらいがあります。(我が家だけかもしれません)算数において、これは崩壊の第一歩です。
私は算数こそプロセスの学問であると考えています。極端な話をすると、正直答えがあっているかどうかよりもプロセスの方向性が正しいかどうかが重要なのです。高校数学や大学以降の数学ではそのプロセスが美しいかどうかが問われます。正解至上主義に陥ると、仮に中学受験はうまく潜り抜けられたとしても大学受験で確実に数学ができなくなります。(特に数II以降)そのように考えていますので、娘からしたら口うるさいオヤジになっているかもしれませんが「とにかく式書け」と口を酸っぱくして日々伝えています。算数においては式こそがコミュニケーションツールなのです。
【小5算数は結構恐ろしい】
娘はP算数オンラインで1年間の先取をしています。したがって現在は小5の内容を学習しています。これまで娘なりに苦戦しながらも先取は何とか進めてこられたのですが、階差数列(三角数・四角数)・水量変化(グラフ読み取り、時間計算、立体図形のコンビネーション)・点の移動(旅人算、平面図形のコンビネーション)になって理解のスピードが極端に遅くなりました。これらの単元は複数のテクニックを駆使する必要があります。複数単元の組み合わせになるとやはり理解に時間がかかるのは致し方ないと思います。問題なのはこれを上記のようなサピックス流の進め方でやられると絶対についていけません。ついていけないというのは子供がその概念を理解するのに相応の時間をかける必要があるという意味です。サピックスは1週間たつと「ハイ次~!」という形で全然違う単元に飛んだりします。似たような単元で固め打ちしてくれないのです。そうすると消化不足が蓄積されて大変なことになるのは目に見えています。上記のような単元はさらっと教えてもらったところで「はい分かりました!」とは絶対なりません。(サピックス側はこれを初見ですぐにマスターできる子供だけが欲しいのかもしれませんが。)これらの内容はサピックスのスケジュールを見る限りでは小5の春から夏にやってきます。中学受験の大波の第一波が小5にくるのはここら辺に起因するんだと思っています。
このようにこの夏は私なりにいろいろと得るものがありました。一つ言えることはその場その場のテスト結果も大切ですが、親として近視眼的な観点と同時に大局的な視点を常に持っておくことも大切だと思っています。これらの知見を秋以降の学習に活かしたいと思います。
本日もお読みいただきましてありがとうございます。
よろしければ下記リンクにクリックお願い致します。