漢字学習は「先取り」よりも「振り返り」がいいのかも

娘には幼稚園の頃から公文式をやらせてきました。小学3年生の終わり頃に小学校卒業レベルまで国語と算数は到達していたのですが、娘はどうしても漢字の先取りができませんでした。

例えば「機械」という漢字。今では当たり前のようにかけますが、小学3年生の娘には「薔薇」くらいの感覚があったんじゃないかと思います。とにかく書かせてもぐっちゃぐちゃでした。。公文では漢字に四角いマス目が与えられていますが、マス目に収まるようなレベルではありません。はみ出しまくって、さらに文字のバランスもめちゃくちゃでなんとか書いていた状態。正直「こんなの意味あるのかな」とずっと違和感を持っていました。

サピックスでの本格的な中学受験生活が始まってわかったことは、公文で学習した先取り漢字なんてほとんど覚えちゃいないということです。つまり、数年前に多くの時間を使って一生懸命覚えた漢字たちは未使用のまま忘却の彼方に消えてしまっていたのです。

また、さまざまな情報収集をする限りでは漢字の先取り学習が良いとされていたので、サピックスの小5カリキュラムがスタートするまでは私も娘にできる限り漢字の先取り学習をさせていました。

しかし、小5のカリキュラムがスタートして様子を見ていると先取りをした漢字なんてまたまた忘却の彼方に消えています。「なんかやったことあるな」くらいは思っているのかもしれません。しかし、時間をかけて先取りをさせた価値は少なくとも私には感じられませんでした。

それ以上に大きな問題を見つけました。

事の発端は娘が通う小学校での漢字テストです。授業で小4漢字総まとめということで100問くらいの漢字問題のテストが行われました。娘が持ち帰ってきたテストの結果を見て唖然。。。70点くらいしか取れていないのです。

もしやと思い、サピックスの4年で学習した漢字をテキストを使って改めて書かせてみました。私の悪い予感は当たりました。ぜんっぜん書けていません。ざっと6-7割くらいの出来です。

その時「漢字は先取りじゃなくて振り返りの方が大事だった」と悟りました。小学校は学年相応の漢字を学習しますが、塾では小5のうちに小6までの漢字を学習します。つまり、塾で多少の先取りはできてしまうわけです。だとすると、漢字の学習は塾で学習するものをしっかり習得しつつ、家庭学習では1学年前までの漢字をしっかり復習させて基礎固めをさせておくというのがバランスとしては良いのではないかと感じました。

漢字も言葉です。せっかく先取りしても使わなければ子供はあっという間に忘れてしまいます。塾で学習した漢字がある程度定着しやすいのは、テストのために勉強するということもさることながら、テキスト等や記述問題にもその漢字を使わざるを得ない状況に追い込まれるので、子供の中で「生きた言葉」になってくるからです。

中学入試では当然小学校で学習する以上の漢字を問われることもあるかもしれません。それでもほとんどの漢字問題で問われるのは、実は簡単な漢字の組み合わせだけど意外に盲点な言葉だと思っています。例えば直近の桜蔭中学の問題で出題された漢字は「歩調」や「不動産」という感じです。正直全く難しい漢字ではありません。ですが、意外に子供からしたら書きにくい漢字なのではないでしょうか。

漢字の振り返り学習が必要だと気づいたのが今年の4月くらいでしたので、それからはサピックスの小4の国語テキストを引っ張り出してきては娘に復習させています。色々と忘れていて絶望の毎日ですが、本当に必要な漢字学習はこのようなものだと痛感しています。

もちろん、漢字を覚えるのが非常に得意な子供にとっては振り返りなんて不要でしょう。漢字検定を通してどんどん先取りを進めれば良いのだと思います。しかし、世の中には娘のように漢字を覚えるのがそこまで得意ではない子供もいます。そんな子供には先取りよりもしっかりと振り返りをさせるというのも良いのではないかと今は思っています。

ちなみに、漢字検定をやった方が社会では有利になる可能性はあると思います。社会では常用漢字ではない複雑な漢字を覚える必要があります。ただし、漢字検定を一切受けていなくてもテストのためであれば娘は覚えることができるようです。現時点において不便であるとは一切感じていません。

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