「狂気」ではなく「待ち」の中学受験

よく中学受験には「親の狂気」が必要なんて聞きます。私にはその「狂気」はありません。親が子供を引っ張る中学受験にあまり乗り気になれないからです。もっともっと娘をしばき倒してスパルタ的にやることだってできるはずです。でもどうしてもその気にはなれません。たまになんでなのか考えたりします。一つ思い当たるのは、私は娘に「判断力、決断力」を養いたいと思っているからなのかなという部分です。なぜ「判断力、決断力」を養いたいかというと、社会に出た時に非常に重要なスキルだからです。

以前は「劣等感から娘を守りたい」なんて話をしました。劣等感は社会に出ると邪魔な感情です。だから犯罪者から娘を守るかの如く、劣等感から娘をできる限り遠ざけたいと思っています。なんだか、私は常に社会に出たら持っていたほうがいい能力から逆算して娘の教育にあたる傾向があるようです。

外資系の金融業界には高学歴な人材が毎年のように入社してきます。しかし、学歴が高いことと社会でうまく行くことはほとんど別物です。それは学力についても言えます。ある程度学力がある集団の中において、学力が高いかどうかは正直そこまで重要ではありません。それよりももっと重要な能力があります。それが「判断力、決断力」です。せっかく受験戦争を勝ち抜いて高い学歴を手に入れ、満を持して金融業界に来たにも関わらずこの能力が低いせいで台無しになってしまうケースを私はこれまでたくさん目にしてきました。判断力・決断力は自立心に関係します。この自立心が成熟していないと「指示待ち人間」と化してしまうのです。社会に出ると基本的には誰も手取り足取りフォローしてくれません。行動を起こすのは常に自分が起点になります。優秀な人材というのは「今自分が何をすべきか」を的確に判断することができます。私は娘に指示待ち人間になってほしくありません。自分の成長は自分で掴む。そんなメンタリティを身につけてほしいと思っています。

したがって、小学生の段階からできる限り自分で判断させるトレーニングを積ませたいと考えています。徐々に娘に出す指示も減らすようにしています。少しでも「パパに言われたからやっている」という考え方を排除して「これは私の判断でやっている」と思ってもらいたいからです。そうすればテスト結果についても自ずと自己責任の考え方が身についてくるのではないかと思っています。

ですので、私の場合は「とにかく娘の判断・決断を待つ」これを最優先しています。正直短期的な成績を上げるための施策としては最適ではないかもしれません。まだ娘が小4だからこそできるんだと思います。小6で受験が本格化するときにこんな心の余裕はもてないかもしれません。ただ、できるだけ小さいときに自分で判断する、自分で決断するという経験を数多く積ませたいと考えていますのでギリギリまでこの方向性でやっていきたいと考えています。

とは言いつつも、国語・算数については完全に本人任せというわけにはいきません。親としてフォローしたり課題指示をするべきポイントについてはしっかり見ています。一方で理科と社会についてはここのところほとんど本人任せにしています。成績が崩れたら介入しようと思っていますが、少なくとも理科と社会については今のところ成績は崩れていません。(上位層というわけでもないですが、それでもこのままで大丈夫だと思っています。)

小4も徐々に終わりが見えてきましたが、娘は着実に成長しています。学力もさることながら、判断力・決断力もしっかり育っていると思っています。繰り返しになりますが、私の心の余裕がなくなるまでは長期的な視点での判断力・決断力の養成も意識していきたいと思います。

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