素直さの重要性について

中学受験に限らず「素直さ」というのはその人の成長に重要な要素だと思います。
しかし、他人のアドバイスならまだしも、親のアドバイスを子供が素直に受け入れるというのは簡単なことではありません。
特に小学校高学年になってくると「なんとなく親に従いたくない」という反抗心もさることながら、自分の考え方や意見というものも明確に持ち始めてきますので、どんどん難しくなっていくような気がします。

今日は朝の6時過ぎから娘に対して親のアドバイスを受け入れることの大変さとその重要性について話をしました。(朝から何やってるんだという話もありますが笑)
ここに至る理由はいくつかあります。例えば最近娘とは算数の「場合の数」を重点的に弱点補強として取り組んでいます。「7枚のカードの中から3枚を選んで3ケタの数字を作る場合、何通りの数字が作れるか?」という典型的な問題に取り組んでいた時です。場合の数は母集団となるカードが何かによって数え方が異なります。ただし、方法としては①樹形図を書いて気合で数える②計算で解決できるのどちらかで、どちらが最適のアプローチのなのかを判断する選球眼が必要となります。どちらが最適なのかについては明確な基準が存在します。したがって、それに従えばいいだけの話です。しかし、娘は樹形図を書くことを最近嫌います。理由は「めんどくさいから」です。私からすると大しためんどくささではないのですが、娘からするとストレスがあるのかもしれません。ですので、娘は無理やり計算で場合の数を処理しようとします。当然ですが正解にはたどり着けません。そこで私はこの場合はこういう理由で樹形図を書くのが最適なアプローチだとアドバイスするのですが、どうにも聞き入れてくれません。

また、国語において娘は同じ文章を何度も読み直すことを嫌います。文章中で使われている語彙についてもこなれた表現方法が出てきますので、語彙力のない娘には簡単には精読ができません。例えば今週の物語文には「屈辱的」「憂鬱」という言葉が出てきました。これらの言葉を娘に腹落ちさせるのは簡単ではありません。しかし記述問題の精度を高めるためには文章の中で精読しながら細かいニュアンスを理解していく必要があります。分かるまで一緒に何度まで読みます。すると娘は「もう分かっているから何度も読む必要ない」と言います。しかし、細かく質問してみると結局理解できていません。こんな不毛なやりとりを繰り返します。

最近このような形で不毛な時間が結構続きましたので、今朝は娘について「素直さの重要性」を話しました。この素直さですが、何も勉強だに必要なわけではありません。サッカーのシュートフォームや野球の打球フォームをよくするためにもアドバイスを受け入れる素直さは必要でしょう。このような話をしたところ、娘は「サッカーは野球はずっと楽しいし、樹形図を書く時のようなめんどくささはない」と言ってきました。確かに勉強もスポーツも基本は楽しくあるべきです。しかし、その裏にはタフな練習も必要な時があります。おそらくサッカーを一生懸命頑張っている友達はパスやシュートの練習を何度も何度も繰り返しているのを必ずしも楽しいとは思っていないでしょう。なかなか上達せずにストレスを感じているかもしれません。そこを突き抜けるには他人のアドバイスを素直に受け入れることも必要です。自分流だけでは限界があるのです。そのうえで一生懸命練習した結果として試合に出れたり、試合で勝てる喜びがあるわけです。結局のところ勉強でもスポーツでも音楽でも何でもいいのですが、とにかく「成長・上達」のためのプロセスというのは同じだと思っています。

そんな話を娘にしました。多少反抗的な態度をとりがちな娘が私の話をどこまで真剣に聞いていたかは分かりません。今後学習へのアプローチが改善するかもわかりません。成長への努力を怠ったツケは娘が自分自身の人生で背負っていくことになります。私ができるのはそうならないようにアドバイスをしたり伴走してあげるところまでです。結果的に素直になれなかったとしても、根気強く「素直さの重要性」については説いていきたいと思っています。

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