算数の先取り学習に対する雑感(2023年4月7日時点)
中学受験における算数の「先取り」学習の是非について、現時点での私の考えについて書き留めておきたいと思います。
結論から先に申し上げますと、私個人として算数の先取り学習は「やった方が良い」です。サピックスの先生からは授業に対する情熱が失われるので「百害あって一利なし」と言われていますが、それでも「やった方が良い」と考えています。
私は娘に今のところ中学校の数学のテクニックまでやってほしいとは全く思っていません。学習にはタイミングがありますので、むしろ今はその領域に踏み込むには時期尚早と考えています。公文算数はGコースまでとりあえずやらせていましたが、GIIに入って方程式の変換の単元に入ったところで見るに見かねて退会を決断したほどです。(方程式は数学においても極めて重要な単元なので、式変換の対象ではなく正しい認識を持って学習ほしいと考えています。)少なくとも中学受験において第一志望の中学校に合格する確率を高めるためには先取り学習は有効だというのが現段階での個人的感想です。
しかも先取のタイミングは低学年であればあるほどいいと思っています。四年生以降になると算数のテクニックをどんどん学ぶ必要が出てきます。五年生になるとさらに多くのテクニック習得が必要になります。したがって、四年生から算数の先取りを始めるのはよほど飲み込みの早いお子様を除いては非常に困難であると思います。四年生が始まった段階で先取り学習をしていなかったのであれば、先取り学習はいったんあきらめて塾で学習する単元をしっかりと深堀りしていく方が良いと考えます。娘が受講しているP算数オンラインでも四年生以降の受講については「飛び級システム」を受け付けていません。そこには私が申しあげたような理由があるのではないかと思います。
娘が現在学習している五年生の算数単元を見ていると、四年生とは比較にならないくらいの量の算数テクニックを身につけていく必要があります。娘のような「普通のスペック」の小学生を上位層に食い込ませるには先取り学習をさせることがどうしても必要になります。今のところ先取り学習をしたことで以下のような恩恵があると思っています。
①サピックスで学習する内容がすでに既習範囲なので、問題演習の場となっており算数に対する自信を持てる
②サピックス算数にそこまで時間を割かなくて済むので、他の科目への学習について余裕が生まれる
一方で、先取り学習に苦痛を感じているのであれば直ちにやめるべきだとも思います。私は小学生の子供にはまだ脳の発達も含めて個体差があり、中高生以上に有意な差を生んでいると考えています。別に今算数の先取ができるようなキャパシティーが子供になかったとしても学びの楽しささえ分かっていれば、中高生以降でも努力によって多くを挽回できる可能性は十分にあると考えています。結果的に、娘は先取り学習を低学年からすることができていましたが、仮に苦痛を感じてできなかったとしても上記のような理由でしょうがないかなと思っていたと思います。それよりかは算数を学ぶ楽しさだけは感じてもらって、どこか将来のタイミングで算数や数学が好きになって努力する土壌を作ってあげていたのではないかと思います。
しかし、先取り学習をやっても六年生中盤になると先取り学習をしていない子供たちとテクニックの面では追い付かれることになります。その時に先取り学習をしていたことがどのように作用しているかについては改めて見てみたいとは思いますが、算数はいかにたくさんの問題に触れてきたかが非常に重要だと考えております。そういう意味でより多くの問題演習量を先取り学習をしてこなかった受験生よりはこなせている可能性は高いので、理論的には先取り学習をしていなかった場合よりも良い結果になっているのではないかと予想しています。
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